INTERVIEW 01
目に見えない紙の品質を、
音で確かめる職人技
製造部製造課/東仙慶郎
Chapter 01
私は高校を卒業後に就職という進路を選択しました。立山製紙のことはなんとなく大きい会社だなというくらいの認識しかなかったですね。もともと「ものづくり」に興味があり、製造業を志望していたので、工場見学に参加してみたんです。見学する前は漠然と普通の紙だけを製造していると思っていたのですが、紙管(巻芯などになる筒状の紙製品)をはじめ、私たちの生活の中に溶け込んでいる幅広い厚紙製品を製造していることに驚きました。工場見学だけでは分からない社員の技術や努力を深く知ってみたいと感じ入社に至りました。
私は現在、製造部製造課で抄造している紙の品質測定業務を担当しています。測定といっても様々ありまして、紙の水分量・厚み・強度のどれかひとつでも規格外を起こしてしまうと、紙が破れやすくなったり、加工しづらくなってしまいます。決められた規格範囲内で紙ができているかを確認するのが私の役割です。
Chapter 02
紙の製造には機械を使うので、技術は必要ないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。大きな原紙のロールを木の棒で叩き、紙の厚みが薄い部分と厚い部分の打音の違いを聞き分けます。その打音を聞いていくことで厚みが均一に抄造できているかどうかを判断します。はじめは叩いても全然違いが分かりませんでしたが、経験を重ねていくうちに分かるようになりました。こういうところは職人の要素がありますね。
「音の違いがわかるようになった」ことで自分の成長を実感できました。今後の目標はまだ技術的にできない作業があるので、その作業ができるようになることです。できなかったことができるようになる。その積み重ねが自信とやりがいにつながっています。
Chapter 03
製造ラインは24時間稼働しているので、製造部の勤務時間は朝昼夜の三交替制になっており、どの時間帯に出勤するかは一週間ごとに交替します。夜勤があると敬遠する方が多いと思いますし、私も最初は「やっていけるかな」と不安な部分もありました。ただ、三交替制だと残業はほぼありませんし、夜勤であれば平日の昼間時間を有効に使えるので、役所や医者や銀行などに行くような用事があっても仕事を休まず行くことができます。週によって生活リズムを変えていくのも、やってみたら意外と悪くはないなと感じています。
また、立山製紙ではノルマや過度なプレッシャーをかけられることがないのも良い点です。